ベーグルの穴から見えた日記

歌に込めた想い

この週末は、申し訳ないぐらいに、ありがたいぐらいに、歌にまみれた週末となりました。

土曜日は、「カーネギー日米合唱祭~福島から世界へ~」という、その名の通りカーネギーホールで行われたコンサートへ。

実は・・・、私がこのコンサートに行こうと思った最初のきっかけは、それが福島のイベントだったからではなく、今回のコンサートで米国代表コーラスとして招待されたバーバーショップと呼ばれるジャンルのアカペラを歌う、Harmony Celebration Chorusを見るためでした。
そういうわけなので、バーバーショップのお友達数名(つまりみんなアメリカ人)と一緒に出かけました。

日本人の合唱団については、私はまあ日本人だから楽しめるだろうけど、一体アメリカ人の友達は日本の歌をたんまり聞かされたら、どんな反応をするのかしら・・・と、内心ドキドキしていました。

でも。
そんなくだらない心配は打ち消されて、歌というもののすごさを思い知る日になりました!

プログラムは、第1部では、NY在住の日本人クワイヤの歌と、そこに日本語学校のかわいい子供たちの合唱団が加わって、第2部では、オーケストラと歌の競演、そして、第3部でバーバーショップ・ステージ、そしてハイライトの第4部が、福島からこの日のためにやって来た、福島県の「県おかあさん合唱連盟」の140名によるステージでした。

福島のお母さんたちの歌、とても心に響いたなあ・・・。福島の人たちが、家族を失ったり、家を失ったり、当たり前の日常を失ったりしながらも、いつか故郷を取り戻すという希望を持っていることを、世界に伝えたいという、切々とした想いが歌声から伝わってきました。

歌の合間には、福島の人たちが、震災の後に作ったという俳句を紹介したり。
この俳句についても、始まる前は、「アメリカ人のお客さんもたくさんいるのに、俳句を紹介だなんて、どんなことになるのかしら・・・???」と思っていたけど、しっかりした構成で、英語と日本語で俳句を紹介しながら、俳句と歌を溶け込ませていました。
俳句の、たった5・7・5のことばが持つ強さも、なんだか初めて思い知ったような気がする。

そして、「うつくしま復興大使」なる、中学生の女の子と、高校生の女の子と、そして大人のおじさん(・・・すみません。なんて言ったらいいの、成人男性?)が、ステージでそれぞれ短いスピーチをしたのも、とてもすばらしかった。中学生と高校生の子も、紙を見ながら英語で一生懸命スピーチした。

「お母さんが地元でボランティアをしているのを見て、自分も福島のために何かしたいと思いました!」みたいなことを、はつらつとした声で元気に読み上げた。
全員、しっかり、福島の希望をお客さんに届けていた。

2年前の3月11日、ニューヨークにいて、日本が大変な状況にあるのを見ながら、何もできず、普通に生活してるしかなかった、あの時のひどくもやもやした感じを、久しぶりに思い出した。
日本の中でも、例えば東京と東北でも、その距離感はあったとよく聞く。当事者と、当事者じゃない人。
そして、私には寄付ぐらいしか結局できないまま、今でも当事者の人たちの日常は戻っていないけど、私は普通に暮らしてる。今回来た方の中にも、今でも仮設住宅に住んでいる人もいるとのこと。

私のあの時のもやもやの気持ちは、心にずっと残っている。簡単に言っちゃえば、罪悪感なんだろう。

そんな私に、罪悪感とか抱えちゃってもやもやしちゃってる私に、その当事者である福島から来た人たちが、神々しいまでの希望を、これでもかと見せつける。

歌を聴きながら、私は何度となく、涙した。
歌って、なんだか自然に、涙を流させる。別に泣ける歌詞だからとかではなくて。福島の希望に圧倒されて。
そして多分、この涙は、いい涙だと思う。

「うつくしま復興大使」の皆さんのスピーチでも、泣いた。

そして終わった後に、私のアメリカ人の友達が一様に、「すごくよいステージだった!!」といって興奮していたのが、またうれしかった。
福島のお母さんの歌の力で、その希望のメッセージは、アメリカ人にもしっかり伝わってる。


この公演のことは、福島民報ほか、日本の全国紙のウェブニュースでもたくさん取り上げられてるみたいです。

地元でもあるし、長めに取り上げているので、福島民報のリンクを上につけました。
ただ1点、文中に、

===
最後に、米国側から参加した女性合唱グループと「アベ・マリア」を合唱すると、客席から米国人らの総立ちの拍手が鳴り響いた。
===

とありますが、これ、私としては絶対、事実をここに書いておきたい!!

観客が総立ちになったのは、「アベ・マリア」の後ではなくて、「前」です!

この日の全ての合唱の参加者がステージに上がって、サウンド・オブ・ミュージックの「Climb Every Mountain(すべての山に登れ)」を歌った後に、観客は総立ちになりました。

サウンド・オブ・ミュージックにはすてきな歌がたくさんあるけど、今まで私は、Climb Every Mountainがとりたてて好きということはなかった。
でも、いい歌だなあ。
シンプルな歌詞が、福島の人たちが世界に届けようとしている希望とぴたりと合致していて、その歌を、日本人もアメリカ人も入り混じって、みんなでひとつになって力強く合唱したから、見ている人の心を打ったのだと思う。

Climb every mountain
Search high and low
Follow every byway
Every path you know

Climb every mountain
Ford every stream
Follow every rainbow
Till you find your dream

A dream that will need
All the love you can give
Everyday of your life
For as long as you live

Climb every mountain
Ford every stream
Follow every rainbow
Till you find your dream


あ、そして日曜は、自分がコーラスのみんなと一緒に歌う機会があった。(はい、バーバーショップです!)

私たち、別にプロでもなんでもないけど、言っちゃあなんですが、このエリアでは結構人気がありまして、あちこち呼ばれて歌ったりする。

私たちが力いっぱい楽しんで歌うと、みんなの顔がほころぶ。

音楽って、技術がどうこうとかじゃなくて、やっている人が音を楽しむ(つまり、音・楽!)こと、そして、それを見てる人が楽しんでくれることが大事なんだよなーと思う。
(もちろん、あんまり下手なら誰も聞きたくないわけで、お客さんをぬかりなく喜ばせるために、日々の技術の向上が必要不可欠なわけですが。)

音楽の、いちばん大事な部分を見過ごしたら、スタンディングオベーションはもらえないよ、というのが、私の今週末の結論。

コーラスのリハーサルの時には、私がバーバーショップにおいて尊敬する憧れの人が、ピアノを演奏するところを初めて見た。(私たちはアカペラで歌うのでピアノは特に要らないんだけど、たまたまリハーサル室にピアノがあったのです。)
その人の性格そのままの、やんちゃな音色で、音を奏でることが楽しくてしょうがないというような弾き方だった。ちなみに70代中盤の女性ですが、この人はとても「おばあさん」とは呼べないのです。

そんなのも、ちょっとしたことなんだけど、「そうだ、私もこういうふうに音楽と向き合おう」と再確認させてくれたのだ。

ああ、いい週末だったなあ・・・。

さあ現実。
また1週間、がんばります!
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コメント


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ガレットさん、

私も、言葉もすごく大事だし、好きです。
でも、脳ではなく心が直接反応しちゃう瞬間が、スポーツとか、芸術とかにはありますよね。

コメントありがとうございます。
ガレットさんちも、いつも楽しみに読んでいます!

あすかまる | URL | 2013-10-28 (Mon) 10:26 [編集 ]


言葉以上

言葉はとても大切だと認識してはいますが、
スポーツ、芸術、そして音楽は言葉を超えて感動を分かち合える!
そんな瞬間を実感できたら♪ 素敵ね♪

ガレット | URL | 2013-10-27 (Sun) 22:08 [編集 ]