ベーグルの穴から見えた日記

サンディーの後遺症

ハリケーンのサンディーがニューヨークを横断してから、もうすぐ1週間になります。
思えば先週末は、「なんでも来週早々にすごいハリケーンが来るらしいよ」「本当に来るのかなあー?」という話をしながら、金曜の仕事を終えたのでした。

私も、両親や友達から心配して連絡を受けましたが、前にも書いたとおり、私の家や近所は、幸いにもこれという被害は全くなし。
私の職場も、電気やインターネットの被害も受けず、木曜からは地下鉄が部分的に運行し始めたので木曜昼からはオフィスに戻りました。私は幸い、家から仕事できる環境だったので、地下鉄が動くまでは自宅にこもらせてもらいましたが、水曜にカーサービスを使ったり、あるいは徒歩90分(!!)でオフィスに行った人もいます・・・。仕事が終わったら、また歩いて帰らなきゃいけないわけで・・・・。

日本にも、ニューヨークのハリケーンの写真なんかは、いろいろ伝わっていることと思います。
でも、mixiやFacebookのようなSNSで友達とつながっていると、友達の今の状況が次々と流れてきて、写真とはまた違った生の声が聞こえてきます。

私は、ニューヨーク州とニュージャージー州のお友達が多いのですが、本当にかなりの家で停電しているといって、言い過ぎではありません。NYとNJに住む友達のほとんど、といったほうが正確かも・・・。
そして、ハリケーンの間に停電になった世帯のほとんどは、土曜の今でも、電気が復旧していません。予定日は、ある地域では週明け、また別の地域では、来週だとか・・・。

前回の日記でも言いましたが、ハリケーン以降、ニューヨークの気温がぐっと下がりました。すぐに本当の冬が来るのです。
電気がない、イコール暖房システムもない、お湯も出ないという家が多い。
電気のない家でなんとか暮らしてる人もいるし、親戚の家に避難したり、ホテル暮らしをしたり・・・。すごくたくさんの友達が、そんな辛い1週間を送りました。

自分ひとりならそれでもまだいいけど、小さな子供や年配の方を家族に持つ人たちにとっては、苦労は2倍にも3倍にもなる・・・。

ある友達は、ハリケーンで木が窓のそばに倒れた時に恐らく80代のお父さんが脳卒中を起こし、現在も集中治療室にいるとか・・・

別の友達は、老人ホームに入っていた79歳の叔父さんが、停電の暗闇の中で転倒し、亡くなったとか・・・

それから、停電のためにろうそくで明かりをとっていたら、その火で家が火事になったという話も聞きました。兄弟は火事で亡くなってしまい、お母さんも今、予断を許さない状態だとか・・・。

災害の時の、死者何十名とか何百名、という数は、規模を表すための簡潔な表現だけど、今回は、災害が起こったその場所にいたことで、被害は受けずに済んだものの、その「死者何十名」の中の、ひとつひとつを、もう少し近くで見ているという感じがします。
もちろんそういう話は、災害が起こるたびに、ニュースを通じてたくさん伝えられるんだけど、それが友達の体験となると、誰かの体験談とはまた違う。
「ひどい話だね・・・」とひとしきり悲しくなった後で気持ちを切り替える、というのは、実は大事な機能だと思うんだけど、それがとても難しくなります。そんなふうに切り替えることが許されない、今その真っ只中にいる友達のことを思うと。

東北の地震は、規模はもちろん違うけれど、規模は規模でしかなく、あくまでもマクロで見た時のことであって、誰かが何か(家族や友達、家、電気、その他大事なもの)を失ったその時に、その人やその周囲の人が感じる気持ちは、やっぱりこういうものだったのかなあ、と思います。

それでも、被害がない人たちは、元気よくやっていくしかないのだけれど。被害を受けた人たちだって、元気になっていかなくちゃいけないんだから!

ニューヨーク市内の地下鉄は、ほぼ平常通りになっているようです。周りの地域も、少しずつ電気が戻っていって、少しずつ、何事もなかったかのような毎日になっていくことと思います。

「何事もない毎日」がいかにオオゴトか、その重さ、大切さが、本当に本当に身に染みます。
関連記事

↑↓ 関連記事?? 実のところ、ランダムセレクションの非関連過去記事ですが・・・

コメント


管理者にだけ表示を許可する