ベーグルの穴から見えた日記

怒涛の週末そのさん ~しめくくりはやっぱりZ

日曜日。
前日にNicolasで買ったパンたちを、朝ごはんとして食べていると、天から声が聞こえた。
「12時に予約したから、腹ペコでいこうね! ・・・腹ペコでいこうね! ・・・腹ペコでいこうね!」
・・・おおう、これは我らがマリアさま! いや、分かってます、だいじょうぶ! でもだって、目の前のこのパンもおいしくて!

というわけで結局、朝からばっちり食べて待ち合わせの場所へ。ふふ、今日は大好きなあの人と、あのパンやさんへ行くときなのだ! わあわあー!
向かうは千葉。
おとといは栃木。昨日は茨城。そして今日は千葉。・・・すごいね我ながらしかし。でも、このパンやさんには、どうしても行かなきゃいけなかったのだ。

そのお店、ZOPFは1階はパンやさんで、2階にはカフェがある。カフェといってもそこでふるまわれる料理はほっぺたをいくつ落としてもまだ足りないぐらいにすごいのだ。

「またしばらく来られないんだから、好きなもの選んでいいよ!」と言われて、迷いに迷う。
といっても、1品は最初から決めていた。パテドカンパーニュ。前回食べて、そのあまりに斬新で、複雑で、深い味わいに、「おいしい!すごいおいしい!」以外のことばが見つからなかった、あれ。(画像右)
もう1品は、本日のオススメの、サルティンポッカ。豚肉にベーコンを巻いたものに、チーズソースがかかってるんだって。

このお店は本当に落ち着く。気持ちがゆったりする。
でも細かいところを見てみると、どこもかしこも、お店の人の「これ、いいでしょう?」とか、「こういうの好きなんだー!」とか、そういうこだわりが詰まってる。それを見て、またにっこりしちゃう。

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なんていっていられるのも、食べ物が運ばれてくるまで! 今度は食べ物のパワーに目を白黒させる番!!
このパテドカンパーニュ。木の実も入ったパテがどーんとある上に、でろんと乗っかっているのは、いちじく! それを雑穀のパンで挟んでいる。この組み合わせがこんなに調和するって、誰が考えついたんだろう?!
・・・結局のところ、おいしい!の連呼しかできない私であった。うう。しびれます。

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豚肉のサルティンポッカ。ぶ厚い豚肉の、ストレートなうまみに、やわらかなチーズソースが絡まって、これまた至福・・・。メインが直球なら、つけあわせのにんじんにはばっちりクミンがきいてたりして、もうめまいがする!
しかもこういうプレートものには、お皿にてんこもりの、ものすごい種類のパン盛り合わせがついてくる。そうよ、ソースときたら、パンを、パンをつけなくっちゃ! ソースはふたりで奪い合い(友だちとかないわ、このときばかりは!!)、後にはなめたようにきれいな皿が残った。

「このパンでこのソースをぬぐってさ、これとこれを乗っけて~、そして食べると、あーん、すごいおいしい!!」なんてことやってる目の前のパンの大先輩を見て、負けじと私も、味が複雑になるよう雑穀たっぷりのやつをパン山から選ぶ。そして、いちじくのコンポートを乗っけて食べたら、あ、これ、すっごいおいしい!! ・・・って、さっきのパテドカンパーニュの組み合わせとおんなじじゃん! がっくり・・・。いや、おいしいからいいんだけどさ。
それから、パン山の中にあった、超有名にして懐かしの、ヨーグルトライ。口に近づけていくうちからもう、香ばしいにおいがぷんぷんくる! いや、口に入れる前にこれは、鼻にくっつけなくては。そして、存分にこの香りとの再会を喜んだあとで、ぱくり。・・・おいしいってことは、もうくどいくらいに知っているのに、さらにおいしい。深い。すごい。

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これらのすごい料理とパンの作り手である店長が、にやにやしながらこっちにやって来た。
その手には、「ちょっと作ってみた」という名づけてZパンが。(命名・私たち。 ・・・不幸にもNと読み違える人が二度と現れぬよう!)

「今日はめずらしく、2階がヒマなんだよねえ」と、大忙しの1階からお呼びがかかるまで、しばしおしゃべりしていってくれた。私はひそかにほくそ笑む。むふふ、来週はきっと2倍お客さんが来ててんてこ舞いで、私たちとしゃべるヒマなぞないに違いない! おいしいものを作り出すその顔を、その魔法の手を、じっくり堪能。
(あ、画像のこの手は、なんもできない私の手です・・・あしからず)

食べ終わった後も、余韻で長らくうっとりと、席にたたずむふたり。
しかし、おなかが落ち着いた頃、彼女がおもむろにZパン袋から何かを取り出す。
それは、2階に上がる前に買っていた、「にんじん豚のサンド」だった。

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にんじん豚のサンド。
思い起こせば数ヶ月前、このパンやさんのデパ地下催事に盛り上がる様を、遠いNYの地で指をくわえてみていた。それまでは千葉でしか食べることのできなかったこのパンが初めて、期間限定で有楽町に乗り込んできたのだ。お祭りのような人々の熱狂だけが、パソコンを通して伝わってきた。ああーん、私だって、半年前まではそこにいたのに!!(いや、自分で勝手に出て行ったのだけど!)
その連日の熱い熱いZパンばなしの中でも、いちばん大絶賛の嵐で、さらに味の想像もできなかったのが、にんじんと豚のサンドイッチだった。
どんな味がするんだろう? どれだけおいしいんだろう? うううーー、食べてみたい!!
それからいろんな状況が整って、なんだか突然に日本に帰ることにしてしまった。でもそのいちばん根っこには、にんじん豚のサンドがあった(かも知れない)。

そんな因縁のあるにんじん豚サンドが、とうとう目の前に。お前かこのやろう! 遠かったぞ! がるるー食ってやる! ・・・にんじん豚サンドは、そんな敵意むき出しの私をやさしく包んで、一瞬でとろけさせた。
にんじんの甘さと、しょうがのほのかな香りと、豚パンチの三つ巴もすごいけど、いちばんすごいのが、一見何の変哲もない白い食パン。はむっとして、ふんわり、いつまでもにんじんとやさしく残っている。
サンドを食べて、脇役に甘んじているはずのパンのすごさを思い知るのって、あんまりない。でも、ZOPFのパンはいつもそうだ。ヨーグルトライを使ったオープンサンドも、ヨーグルトライの強さがしっかり生かされていたっけ。
ああ、来週も来たいなあ! でも来週は私、ここにいないのだ。店長に、次は有楽町ではなくNYに来てくださいとすがっておいた。店長は笑っていた。ああ店長、いいんですね? いいんですね?

ZOPFのあとは、なりゆきでなぜかカラオケへ! ふたりでかわりばんこに絶叫しつつも、たまにZ袋をのぞいてはパンをひと口かじる彼女が、かわいらしくもおもしろかった。
最後にお別れの駅に着くまで、気持ちはのどかでも話は尽きなかった。彼女にも、NYにぜひ来てちょうだいと、重ねてお願いしておいた。もしくは私が餌付けに負けて、また日本に戻ってくるのだろうか? うう、困る! 困るが、なかなかそれもいいもんだ!

ZOPFさんのやさしさと、彼女のやさしさと、いろんなやさしさに見送られてNYに帰る私って、本当にしあわせものだなあ、と心からじんとした日曜日でした。

NYに連れて帰ったのは、ヨーグルトライと、ラスクッキーと、このかわいいリース! 到着してすぐにドアに飾りました。
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